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科学社会学会

セッション5:理論・学説



5-1 科学コミュニティにおける科学史観の相違と科学革命による理論体系の再構築
   ~日本におけるプレートテクトニクス理論の展開について~

  芝崎美世子・千葉淳一(大阪市立大学大学院・大原法律公務員専門学校横浜校)
 
 プレートテクトニクス理論は、地球科学の分野に大きな影響を与え、生物学分野の「進化論」などと並んで、20世紀の科学革命として認識されることも多い。しかし、その展開については、研究分野によって大きく異なっている。日本では、『日本沈没』(小松左京1973)の驚異的なヒットによって、70年代前半から一般にも広く浸透したが、地質学の分野では、共産主義的な思想の影響を受けた研究者らによる「拒絶」によって、その受容が10年遅れたとされており、現在、こうした科学史観が定説とされている。
 しかし、これらの批判は、おもに地球物理や地震学、一部の地質学など、立場の異なる分野の科学者からされており、根拠とされる統計データにも恣意的な偏見が含まれる。こうした異分野からの科学史観の形成には、1970年代の科学者間の激しい対立の影響が見られる。
 一方、日本列島の成立や日本海形成については、まだ定説が定まっておらず、現在の「高校地学」の二つの教科書でも、執筆者の立場の違いによって、全く別々の説が記載されている。これは、日本においては、プレートテクトニクス理論の受容には、付加体地質などの「サブ理論」の構築が必要であり、その理論体系の再構築にまだ対立が続いていることを示している。本研究では、こうした日本におけるプレートテクトニクス理論の展開について、東大を中心とした中央集権的な科学史観の形成と、異なる科学者集団によるパラダイム転換期の理論体系の再構築に注目して、ブルデューの「界」の概念を用いて考察する。

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